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(ベルリンの建築)廃墟から現代ドイツのシンボルへと変貌したドイツ連邦議会議事堂

最終更新: 2019年12月22日


ベルリンにはいくつかランドマークと言える建築物がありますが、ドイツ連邦議会議事堂も90年代の修復・改修を経て新たにドイツの顔とも言える建築へと生まれ変わりました。しかし、それまでには長い道のりがあり、改修された建物はそうした歴史を乗り越えたデザインであり中身を反映しています。そこで今回は、廃墟から現代ドイツの象徴へと変貌したドイツ連邦議会議事堂について詳しく見ていきましょう。

この議事堂は、ブランデンブルク門から歩いて数分のところにあり、まさにそこは冷戦時代にベルリンの壁が建てられるなど、ドイツの歴史とともにある道を辿ってきました。建物が建てられたのは1894年のことで、ネオ・ルネサンス様式でドイツ人建築家パウル・ワロットが設計を手掛けました。しかし、1933年の国会議事堂放火事件によって建物は全焼してしまい、ナチス独裁政権の下では修復されることなく、第二次世界大戦の被害をそのまま受けることになりました。

廃虚と化した議事堂は、冷戦時代には西ベルリンに属していましたが、首都はボンに移転したことから、建物は簡単に修復されただけで、本来の役割を果たすことはありませんでした。その後、壁の崩壊によってとうやくこの建物を再び本来のかたちで利用するために修復・改修のためのコンペが開催されました。そこで選ばれたのが、イギリス人建築家ノーマン・フォスターでした。

1999年に改修を終えた新たな議事堂の特徴はなんと言っても、元々の屋根の上にのせられたガラスのドームでしょう。この屋上ドームは内部に大きならせん状のスロープがあり、それを通して人々がドームの上部までぐるぐると回りながらベルリンの風景を楽しめるようになっています。そこは周囲を見渡すだけでなく、真下を見れば議場の中が覗けるようにもなっています。この他にも建物内部は概して開放的なデザインとなっており、ドイツの暗い歴史を繰り返さず、人々に開かれた透明性のある政治を行っていくという理念が見て取れます。

ドイツは環境にやさしい国づくりを積極的にすすめているため、この議事堂も環境大国ドイツを象徴するような機能を果たしています。それに大きく寄与しているのがまさに屋上ドームです。この内部には逆円錐形に並んでいるガラス部分があり、これが下にある議場に光を取り込み、照明器具を利用せずとも十分に明るい室内空間を生み出す同時に、自然換気の機能も果たしています。

その他にもこの建物では、バイオマス発電や地下で余剰熱を蓄熱して再利用するなど、様々な省エネ対策が講じられています。さらに、この建物で発生する余剰エネルギーは周辺の政府機関の建物に供給もされるようで、まさに環境大国ドイツを象徴する省エネ建築となっています。

こうしたように、ドイツ連邦議会議事堂はドイツの深い歴史の一部でありながら、現代のドイツを象徴とする政治の透明性や環境先進国をそのまま体現する建築となっています。一般の人々もその屋上ドームへと上っていくことができ、その様子は地上から見て取ることができます。それは見ていて、屋上ドーム内を歩く人々を含めて、ベルリンの新しいランドマーク、風景となっているようです。ベルリンを訪れた際は、是非この議事堂の体験しながらベルリンの風景を楽しんでみて下さい。

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