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ドイツ連邦議会議事堂と合わせて見ておきたいノーマン・フォスターの作品「ベルリン自由大学図書館」

February 18, 2019

大学の図書館というのは、著名な建築家によって設計されることが多いですが、ドイツにあるベルリン自由大学の図書館も世界的に活躍する建築家が手掛けています。その建築家は、ガラスの円形屋上ドームで有名なドイツ連邦議会議事堂を設計したイギリス人建築家ノーマン・フォスターでした。今回紹介する図書館は、曲線でなる近未来的な特徴的なデザインで、突飛な形をした建築に見えますが、それは現代の図書館の在り方を体現するために大きな役割も担っているのです。ドイツ連邦議会議事堂の方は、ベルリンにあるフォスターの作品としてよく知られていますが、今回のベルリン自由大学図書館についてはあまり知られていないと思いますので、今回はベルリンで見られるもう1つにフォスターの作品について詳しく見ていきましょう。

 ノーマン・フォスターによって新設された図書館は、既存の大学建物の中庭に建てられました。この新しい図書館の計画の中には、既存建物の修復も含まれていました。図書館周囲の建物は、1970年代にカンディリス・ジョシック・ウッズ・シードヘルムが格子状の軸をもとにした大学キャンパスの計画によって建設されました。この建物で最も特徴的な点は、やはりコールテン鋼で仕上げられた外壁でしょう。このファサードは、実はコルビュジェのモジュールがジャン・プルーヴェによって取り入られています。コールテン鋼の錆びた外観から「ローストラウベ(Rostlaube)」、「錆びた車」というあだ名が付けられているようです。

この度の建設では、このファサードも経年劣化によって修復が必要であったため、コールテン鋼鉄から青銅に取り替えられ、時間の経過とともに過去と同様の色合いに変化していくようです。格子状のグリッドに沿って建築された既存の建物でしたが、それとは対照的に、フォスターはここで曲線でなるドーム型の自由な形で図書館をデザインしました。図書館という知の宝庫、そしてこの形態から、このベルリン自由大学図書館は「ベルリンの頭脳」というあだ名があるようです。

新設の図書館は非常に大きな建物ですが、実は内部空間に屋根を支える柱や耐力壁がないことから、内部は非常に開放的な空間が広がっています。これを実現しているのが二重構造になっているファサードです。このファサードは構造的な役割を果たすだけでなく、内側のファサード面には半透明の素材が張られ、日光を柔らかい光で取り込み、快適で集中できる室内環境を生み出しています。また、それぞれのフロアのファサード近くは波打つように床が切り取られており、それによって、下の階まで光が十分に行き届くように計画されていると同時に、光の強さが異なるなど利用者の好みによって様々な場所が選べるように多様な空間が生み出されています。

ダブルスキンのファサードは、コンピュータで開口部の開閉がコントロールされており、それによって室内空間が常に快適なものに保たれています。曲線でなる形も単なるデザイン性からではなく、角をなくすことで効率的な温度調整を可能にする役割も担っているのです。こうしたことを通して、この図書館は同規模の建物と比較すると、暖房費や消費電力が半分以上に削減されているのです。

 ノーマン・フォスターは、ドイツ連邦議会議事堂で環境大国ドイツを象徴する省エネ建築を実現しましたが、彼はここでもしっかりと最先端の環境に優しい建築をつくり、なおかつ利用者にとっても快適な図書館を実現したのでした。ベルリンを訪れた際は、議事堂だけでなく、フォスターが手掛けたこの図書館にも是非足を運んでみて下さい。

 

 

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