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かつての役割を終えながらも魅力的な地区へと生まれ変わったハンブルクの倉庫街

November 12, 2019

北ドイツ最大の都市であるハンブルクは、エルベ川の河口から100㎞入った場所にある港湾都市として、かつて貿易・商業を通じて大きな発展を果たしました。その歴史というのは、街の至るところに見られますが、その中で最も重要なのが、ドイツ語でシュパイヒャーシュタット(Speicherstadt)と言われる倉庫街です。この地区は、2015年に「ハンブルクの倉庫街とチリハウスを含む商館街」としてユネスコ世界遺産にも登録されました。現在は、昔の街並みを維持しながら、オフィスや文化施設などが集まる魅力的な地区へと生まれ変わっています。このシュパイヒャーシュタットの歴史や建築を見ていくことで、ハンブルクの街についても理解を深めることができますので、今回は、この倉庫街について詳しく見ていきましょう。

 ハンブルクと言えば、「ハンザ同盟」で知っている方も多いと思います。中世の時代からハンブルクは、この同盟における中心都市として、北ドイツ・バルト海沿岸地域の交易で栄えてきました。さらに、18世紀に入ると、アメリカ大陸の国々が独立するに従い、大西洋航路を通じてこうした地域との貿易が盛んに行われはじめ、ハンブルクの街は繁栄を極めました。世界遺産登録されている「ハンブルクの倉庫街とチリハウスを含む商館街」の中にあるチリハウスの建て主であったヘンリー・ブラレンス・スローマンが、南米チリの採掘場との取引によってハンブルク一の大富豪となったことも、それを物語っています。

 そして、今回のシュパイヒャーシュタットが生まれるきっかけとなったのが、1871年のドイツ帝国の建国でした。この時、ハンブルクは1834年からあるドイツ関税同盟に未だに加盟していなかったため、宰相ビスマルクがハンブルクをその関税同盟に入れることを決めたのでした。1881年にお互いの間で協定が締結され、1888年から関税同盟に加わることとなりました。この時に、倉庫街の建設とその地区を自由港にすることが決まり、ハンブルクは港湾地域の整備を始めました。これが、現在の倉庫街であり、その建設には2万人を超える住民、およそ1000戸の住居が立ち退きを強いられたそうです。

 

 シュパイヒャーシュタットの建設は1885年から行われ、1898年には全体の3分の2が竣工していました。建物はAからXまでのアルファベットで分類され、全部で24のブロックからなる倉庫街が計画されました。この倉庫街で最も印象的なのが、やはりレンガ造りのきれいな街並みでしょう。建物は全てレンガを使ったネオゴシック様式で建てられていますが、これはハンブルク周辺で石材を入手しづらいことから、レンガ造りの建物がこの地域の伝統的な構法であったことによるものです。また、倉庫街の建物には直接船から物を出し入れできるように、建物の片側は水路に面し、もう一方は陸地の通りに面するという構造になっていることも、シュパイヒャーシュタットの1つの特徴であります。こうした地区の支えもあり、ハンブルクは19世紀末に絨毯やカカオ豆等の取扱量世界一の港湾都市となりました。

 第二次世界大戦中に多くの建物が被害を受けてしまい、修復されずにそのまま取り壊されてしまったものもありました。1960年代に入るとコンテナ船が普及し、そうした巨大なコンテナ船にとって倉庫街の水路は小さすぎたため、徐々にシュパイヒャーシュタットはかつての役割を失っていきました。90年代になってようやく、この遊休化していた倉庫街の立て直しが開始されました。もともとこれらの建物を住居として利用することは禁止されていましたが、こうした制限も緩和され、建物の外壁は残しながら内部を刷新することで、現在ではオフィスや美術館など様々な用途で使われています。

 倉庫街の南側に位置する場所では、「ハーフェンシティ」という大規模な都市開発プロジェクトも進み、ハンブルクの沿岸地域は新たな時代に向けて変化してきています。こうした街の新しい側面も魅力的ですが、ハンブルクの繁栄はもちろん、地域の建築文化も支えた倉庫街のかつての様子もあちこちで感じることができますので、ハンブルクを訪れた際は、こうした側面にも注目してみてはいかがでしょうか。

 

※ハンブルクについてはこちらの記事でも紹介しています※

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