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音楽だけでなく、建築も見逃せないハンス・シャロウンの傑作「ベルリン・フィルハーモニー」

April 11, 2019

90年代に大開発が行われたポツダム広場のすぐ西側に、20世紀近代建築の傑作が2つ建ち並んでいます。1つは、ミース・ファン・デル・ローエによるナショナル・ギャラリーで、もう1つはハンス・シャロウンによるベルリン・フィルハーモニーです。冷戦時代、ちょうどポツダム広場に東西の境界があり、ベルリンの壁もそこに建てられていました。2つの建築は、壁から目と鼻の先にある西ベルリン側にあり、50年代60年代に建てられたこれらの建物は、東側に西側の体制の優位性を見せつける役割も果たしていたようです。今回は、その内のハンス・シャロウンが手掛けたベルリン・フィルハーモニーについて紹介していきたいと思います。

そもそも現在のフィルハーモニーの建物が建てられることになったのは、それまであったベルリン・フィルハーモニーの建物が戦争によって破壊されたことがきっかけでした。建物の設計者を決めるために1956年にコンペが行われ、そこでシャロウンが選ばれたのでした。新しい建物が建てられる敷地は、当初西ベルリンの中心地に近い場所が用意されていましたが、ベルリンの壁が建てられる2年前の1959年になって、現在の場所へ計画地が変更されたのでした。

 この計画地の変更は、当時はその後およそ30年もかかるとは考えもしなかった東西統一後のことも考慮されていたようです。そうしたこともあり、フィルハーモニーのメインエントランスは現在でも西ベルリンの中心地の方向に向いており、壁が撤去され現在はすっかり人々で賑わっているポツダム広場側が裏側となっているのです。

計画地が変更されたことから、シャロウンはそれによって計画案も大きく変えたと思われるかもしれませんが、実際にはメインエントランス周辺を敷地に沿って少し手を加えただけに過ぎませんでした。というのも、彼の計画案で最も重要であったことは、オーケストラそして聴衆を中心にして建物を形づくっていくことであったからです。こうした考えに基づいて、ホールはオーケストラを真ん中にして、その周囲を聴衆が360度囲むワインヤード形式となっています。さらに、音楽の鑑賞にとって最適な環境と最良の音響環境を実現するために、座席の配置や内装、さらには外壁や屋根の形や位置といったことが決められています。

ワインヤード形式の座席配置は、オーケストラと聴衆が対面する配置と比べて、多くの聴衆がオーケストラとより近い距離で座れることを可能にしますが、音響面ではあまり具合が良くないようで、それがここではテントのような屋根など有機的な形を使って解消されています。このように、ベルリン・フィルハーモニーの建物は周辺環境から生まれてきたのではなく、ホールを中心とした設計によって形づくられたものなのです。

ベルリン・フィルハーモニーの建物を見ると、なぜこのような色を外壁に使っているのか疑問に思われるかもしれません。現在の外壁は金色の金属パネルで仕上げられていますが、予算の都合で建物が完成した当時は打ち放しコンクリートに黄土色の塗装がされただけでした。こうした色は、宮殿や邸宅に古くから用いられてきた伝統的な色からきているようです。そうして見ると、奇抜な形態をしている外観も少しベルリンの街並みに馴染んで見えてはこないでしょうか。

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